噛み犬の運命
一時預かり中の保護犬Wくん。毎日毎日なんとかリラックスしてもらえることに一番気を遣っています。
それでも、ちょっとでも気を緩めるとW君は噛みます。これはもう6歳、もうすぐ7歳(推定)なのでしょうがないです。
言っても始まりませんが、もっと若いうちに、きちんとW君の気持ちに寄り添ってトレーニングに取り組んでいたらここまで酷くならなかったと思われます。
保護団体に引き取られたのは3歳だったらしいので、そのあと3年。噛むことに対しての対応はゼロでした。
ではその3年何をしたのかというと、フォスターママは、W君専用の部屋を与え、ほぼ一日中そこにたった一人でいたようです。フォスターママさんは中学校の先生。毎日家を空けても、ドッグウォーカーがいるわけでもなく。他に先住犬の大型犬が2匹。さらにいつももう何匹かの一時預かりをしていました。
そんな中で、部屋に一人でいたW君。外では他の犬がうろうろ。怖かったんじゃないかと思います。
人間に触れるのも限られた時間だけ。
薬漬けで、毎日薬を飲み、獣医さんに行くときは、さらに強い睡眠効果のあるお薬二種類。この薬はブラ君も飲んでいたのでわかるのですが、強いです。W君の飲んでいた量は、ブラ君の軽く3倍。体重がブラ君よりも2倍なので適量と言えば適量ですが、これを飲んでしか獣医やシャンプーはしてこなかったということ。毎日のブラッシングも、クレートトレーニングも噛むといけないからという理由で一切やっていませんでした。前ママさんに言わせると、噛むと保護団体の責任問題になるので、噛むことは一切させなかったと自慢げに言っていました。
今はとにかくいろんなことに慣らさせる練習。初めはかなりひどい噛みっぷり。血が出たこともなん度も。
それでも諦めていません。
このままでは、一生W君は薬を飲んででしか触れないし、本人は常に緊張状態。表情がとても固いのです。
少しでもうちでリラックスできるように。今はとにかくそれしかありません。
その効果かわかりませんが、最近は腹を出して寝ています。外での伏せもできるようになりました。こんな様子は来たときは全くありませんでした。寝ていても、すぐ起き上がれるうつ伏せ状態でした。
ちょっとはよくなっているのかなあ。ずっと一対一なので、よくわかりませんが、唯一一時預かりなので、保護団体のフォスターバディと言って、相談相手をつけてくれました。この方が本当にいい人で、私のことを常に気にかけてくれ、前フォスターママさんへのイライラもわかってくれます。なんでも一人で物事やると辛くなるので、これは本当にありがたいです。
ということで、まだW君をうちに迎えることにはしていませんが、引き続き格闘中です。
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