噛み犬の運命

 保護犬W君、今週7歳の誕生日を迎えました。

これを機にうちに正式にお迎えしました。

でも、100%喜びというわけにはいきません。それは神犬(噛み犬)だからです。

それでもうちにお迎えしたのは、この数ヶ月一緒に過ごして、このワンちゃんはどう頑張っても普通のお宅に無事に迎えてもらうことはできないと判断したからです。

だからと言って、私が責任とるものでもないのですが、噛み犬だからこそ可愛い。

そして過去のことを考えると、うちで幸せになれるのなら、大変かもしれないけど、それでいいんじゃないかと決心しました。

でも、決めた途端に私が油断したため、あっさり噛まれました。最後に噛まれたのは3月31日だったので、かなり気が緩んでいました。

このW君、何度かご紹介してきましたが、レスキュー所属歴3年と聞いていました。ようやく正式にアダプトしたので、過去の履歴をもらいましたが、正確には2019年の10月に元の飼い主がシカゴのシェルターに飼育放棄で連れてきました。シカゴは都会なので、どこのアニマルシェルターもいっぱい。残念ながら、公共のアニマルシェルターでは殺処分になる確率が高くなります。一度アニマルコントロールに入ると、出てくるのも難しいのが現状。それはシェルターが公共であるため、手が回らず、職員も足りない、一方で続々と連日飼育放棄がやってきて、場所も足りない。自然と殺処分が起こります。

それを防ぐために、郊外の私的なシェルターが定期的にシカゴのアニマルコントロールに行って、Interventionといいますが、アニマルコントロールのシステムに入る前に保護する活動をやっています。

W君はそんなワンちゃん。可愛いのですぐ里親が見つかるだろうという自信から連れてこられました。

そしてもうすぐ4年も経つというのに里親は見つからず。見つかったけど、戻されるということが繰り返され、結局今に至ります。

その間、トレーニングされず、前のフォスターママさんは他に犬がいたので、そのくらし自体がW君にはストレスだったはず。おかげで、噛む行為は、おそらくですが、3歳で初めに来た時よりひどくなったんじゃないでしょうか。

私の所に来てから、レスキュー負担でパーソナルトレーナーに来てもらいました。

色々教えてもらいましたが、一番心に響いたのは、6年で築いた彼の習慣を直すには時間がかかるということです。

噛み犬と暮らすのは、ブラ君で経験済みですので、覚悟はできていたつもりですが、それでも噛まれると、悔しいというか、悲しい。落ち込みます。

放っておいても治るものでもありませんので、もう一度トレーナーに連絡とって、深く話し合いをしようと思っています。このままでは、彼は誰も信じることができず、私は預けるのも、家にゲストを呼ぶのもびくびくしながらになります。

またメディカルヒストリーもよく理解したいので、レスキューのオーナーでもある現在の獣医さんの所にすぐ予約を取りました。3年分の記録があるので、ここでもじっくり話を聞きたいと思っています。

これから大変かもしれませんが、もう後戻りはできないので、前に進むのみです。

可愛いのにね〜。人間のせいでここまで噛み犬になってしまったことに悔して仕方がありません。

とりあえず7歳のお誕生日はしっかりワンちゃん用の手作りケーキでお祝いしました。






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