アメリカの保護犬事情

突然の犬の話ですが、私の中では長年温めてきたというか、すごく犬を飼いたかったけど諸事情によりできなかった。引っ越した理由の一つがこの犬を飼える環境にというのもありました。これまでレンタルしていた家は、家主さん個人所有だし、色々と融通をきかせてもらって住んでいたので、契約で禁止されている犬を飼いたいとは言えなかった。引っ越したら晴れて犬を飼おう!と張り切っていたのです。

ところが、これが思っていたより難航中。

アメリカに長く住んでいると、自然と耳にするアニマルシェルター。これは身近にあり、あちこちで、犬は保護犬をシェルターからアダプトするというのが当たり前のように耳に入ってきます。特に、近年は州によっては子犬を店頭で販売するペットショップ禁止のところもあり、ペットショップで犬を買うのは悪のような感じがアメリカは出来上がっています。犬を飼うなら、シェルターからアダプト。これが私の中でいつの間にか当然のように刷り込まれています。

なので、引っ越してすぐにシェルターを探してみました。オンラインでアダプト専用の検索サイトがあるのでそこをみながらいくつか連絡してみました。私が連絡とったのは、個人がチャリティでやっている団体。これがまず大変。オンラインのアプリケーションを記入して、バックグランドチェック、それからインタビュー、承認。ここで初めて希望の犬がいたら会うことができます。アプリケーションの質問は多岐に渡り、収入はもちろん、家の環境、賃貸の場合は、大家の連絡先等々、時間がかかります。

一つ目の団体は、書類の承認は比較的すぐきたものの、すごく気に入った犬はもうこの時点では他の方に引き取られてしまいました。

二つ目の団体は、連絡がきたのがなんと4週間後。待っている間はもう無理かもしれないと思っていて、サイトの犬の写真を見るのも悲しくなっていたので、見ていなかったのですが、連絡くれたしそのまま進めてみることに。一度連絡がきたらインタビューはすぐできて、インタビューと同じ日に承認が出ました。

インタビューしてくれたボランティアの方の話によると、今インタビュー待ちの申込者が数百人いて、どうしても間に合わない状態だそうです。ボランティアの負担もあり、今は新規申し込みは受け付けないとのこと。私はギリギリ最後の週の申込者だったようです。諦めていたのに承認されたので、これは希望あるかなと微かな希望が。

ようやく、ここで二つの団体から承認が出たので、あとは好きな犬をチェックして、面談を申し込むのみ。やっと将来のワンちゃんに出会えると期待したのも束の間、ここでもまた大変なことを知ります。

大体サイトは1日に数回アップデートされています。でも可愛い犬は、ほぼほぼ数時間以内にリストから外れていきます。つまり、アップデートした瞬間に希望者が殺到してしまうということ。残っている犬は、残念ながら、ピットブル、ロットワイラー系でアパートでは飼えない犬腫や、シニア犬またはスペシャルニーズ犬です。うちのアパートは、大きさの制限はありませんが、犬種の制限はあります。DNA検査も提出しないといけないので、下手に雑種で大丈夫だろうと思ってしまうと飼えないとなり、犬にもかわいそうなこととなります。なので、犬種は慎重に。

承認が出てから2回ほど希望を出しましたが、一つ目はすでにアダプションが決まってしまっていて、二つ目は、私は二番目ですと言われて、それっきり。それからも毎日サイトをチェックしているものの、なかなか新しい犬には出会えません。

待っているだけでもしょうがないので、この承認された民間の二つの団体とは別に、Humane Societyに連絡してみることに。Humane Societyは、各地域にあるシェルター。全米最大の団体です。ここは、シェルターなので、その場で犬を預かっていて、いつでも会いにいくことができます。事前審査や、収入の申告などもありません。土曜日開いているので、金曜日の夜にどれくらいの犬がいるのかチェックして、土曜の朝行ってみました。今はCOVIDの制限で、入場は予約制。朝、家からウェイトリストにオンラインでチェックイン。2時間待ち!と出ましたが、その後すぐ順番は回ってきて、1時間後には入れました。

私が会いたかったのは、ビーグル犬。写真はすごく可愛い。ただ心配なのは、ビーグルなので元々は猟犬。どの位吠えるかということ。

早速会わせてくれるということだったのですが、私が行った時点ですでに前の人がこのビーグルと面会中。外で待っている間に職員の方にお話をさせてもらうと、このビーグル犬は7歳で、前のオーナーがSurrenderと言って、シェルターに引取をお願いした犬。理由は、かなりの大きい声で吠えるから。。。実際、外で待っていても、何度も頻繁に吠える声がはっきりと聞こえてきます。そっか、じゃあアパートじゃ無理かなと聞くと、そうだねえという回答。前の方の面会も長引きそうだし、他に犬がいないか聞いてみたのですが、残念ながら私に合いそうな犬はいませんでした。

実際、中を見せてもらいましたが、おそらく20匹位は常にシェルターできそうな施設ですが、埋まっているのは4部屋のみ。そのうち一つが私が会いにきたビーグル。お隣の可愛い犬はすでにアダプト決定済みのサイン。残っていたのは、ピットブルと、もう1匹のみ。こちらもすでに面会中でした。

職員の方によると、ここもやはり例年に比べると犬があまりいない状態だそうです。

理由はもちろん、COVIDの影響です。

3月以来、みんな家にいるので、犬を飼いたい希望者は増える一方。

ここのシェルターもそうだし、私がすでに承認された2団体もそうですが、犬たちは、州外から運ばれて来るパターンが多いのですが、これもコロナの影響で、なかなか州外から頻繁には連れてくることができないとのこと。

この州外から連れてくるというのは、私が犬探しを始めてから知ったのですが、アメリカの犬事情というのは、テキサスやアラバマといった南部に保護犬が集中していて、逆に私のいる中西部や、北東部では保護犬があまりいないのだそうです。そのため、どこのシェルターも、南部のシェルターと協力して、できるだけ中西部に連れてきていた。私が承認された団体は、毎週多い時は100匹がアラバマから来ていたそうです。この動きは、90年代後半から活発になっていて、かなりの数の犬たちがこうして南部からやってきていた。それがコロナで州間の移動も制限がかかってしまっているということ。Humane Societyに至っては、今は州外から受け入れを一切していない。なので、需要が上がっても、供給が全然間に合わないのだそうです。もちろん、コロナでの人命が一番大事ですから、シェルターのせいではありません。それでも、ここ数週間、毎日毎日保護犬を探してきましたが、だんだん将来のワンちゃんには会えないんじゃないかと思い始めてしまいました。

もう少し探してみて無理ならブリーダーかなあとチラッと思い始めていますが、できれば保護犬を諦めたくないのです。ブリーダーもしっかりしているところはあるのはわかるのですが、私自身が、一人で子犬をちゃんとしつける自身もなく、また金銭的にもブリーダーの犬は保護犬アダプトに比べると大きく跳ね上がります。やっぱりもうちょっと頑張って探してみます。

こちらの写真はシェルターの写真。このじっと見つめる可愛いワンちゃんは、すでにアダプションが決まっていました。次の写真は私が会ったけど、アダプトできなかったビーグル犬です。




この日のうちに、このビーグル犬のWinston君もサイトのリストから外されていたので、おそらく私が行った時に面会していた方がアダプトしたのかなあ。

犬探しまだまだ続きます。


コメント

  1. こんにちは!
    実はいつも読ませてもらっています。
    ビーグルちゃん、今回は残念でした。

    Petfinder:https://www.petfinder.com/
    Adopt A Pet:https://www.adoptapet.com/
    などのサイトでも、お近くで家族を探しているわんこ情報が見つかるかと思います。

    保護犬が引き取られて少なくなったのが、深刻な新型コロナ禍の明るい一面ですね。

    ビーグル犬は通常ハイパーなので、Low Energyな犬を希望すると、良いかもしれません。
    実は私も探しています!
    お時間があれば、保護団体でボランティアすると、いいわんこちゃんが見つかるかも?です。

    るか

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    1. Luca さん、コメントありがとうございます!保護犬探していらっしゃるのですね。実は、今週ようやく出会いがあり無事に引き取ることができました。すごくラッキーにタイミングがうまく会いました。詳しくは今週末にまた記事にしますね。ビーグル犬は、おっしゃる通り、やっぱりうちには無理だったのかもしれません。新たな出会いがあって、今はかなりハッピーです。保護犬なので色々と気を使いますが、ゆっくり愛情を注いてあげたいと思っています。

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    2. わ、ブログ楽しみです!こちら、きょう地元シェルターにラブラドゥードルをアドプションに行ったのですが、開始30分後についたらもう貰い手が決まっていました。気長に粘ります~

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