アメリカの年金 現実
前回の通り、最近の私は老後のことばかり考えています。
そのせいか、YouTubeのおすすめで上がってくる動画は日本の年金関係の動画。中々興味深くてついつい見てしまいます。
その中で、どうも日本ではアメリカの年金は素晴らしいみたいな動画も多々あり、YouTube動画なので、わざとなのかもしれませんが、アメリカの年金の金額や、制度が誇張されている傾向があるようです。
確かに、金額だけ見ると日本と比べると驚く金額です。
ここではアメリカの国民年金いわゆるSocial Securityの話です。アメリカは日本のように、国民年金、厚生年金という考えもない。ペンションいわゆる企業年金があっても、今それをベネフィットとして提供している会社は中々ないと思うので、それをもらえる人口はだいぶ少ないです。
余談になりますが、私が長年いた超大企業は100年の歴史ある会社だったのでペンションがありました。むかーし、新卒で働いていた時、先輩たちがペンションがどれだけ大事か語っていたのを思い出します。でもそれも一昔前。この会社は20年前くらいに新規加入はなし、15年くらい前に完全にこのペンション制度を廃止にしました。溜まっていた金額は引き出すか、401Kに全額移行でした。他にも歴史ある企業は昔はペンションあったけど、今はペンションやっている会社は既に無いか、401Kのマッチに移行になっているのが一般的ではないでしょか。このマッチの話はまた後日。
話を戻して、アメリカで年金がもらえるのは、
- 最低で10年(40クレジット)Social Security Taxを収めた記録のある人。
- もらえる金額は、過去35年の平均給与、Social Security Taxの記録から計算。
- 35年働かなかった人でも、もらえるけど、35年で平均なので金額が減る。
- もらえる金額は給料で大きく代わり、毎年物価に合わせて多少の上昇がある。
日本とは日米社会保障協定があるため、10年以下の例えば駐在員でも日本の勤務期間と合算してもらっている人もいます。そのためアメリカは働けば年数が足りなくてももらえるというような誤解があるようですが、それは駐在員さんでアメリカから貰えている人が間違った情報を流していると思われます。本来なら10年税金を収めた記録が必要です。
この35年平均で計算されるというところを日本の満額がもらえる40年と比較していたり、物価に合わせて上がっていく受け取り金額、またもらえる最高金額だけ見て、日本はひどい、アメリカは素晴らしいという意見になってしまうのかなと思います。
さらに、教員などの公務員は独自の組合による公的プランがあるので、Social Securityではなくてペンションをもらいます。これは州ごとあるいは、さらに教員のローカル組合があって仕組みも違いますので、一概に教員だからいくらとかにはなりません。概ね、ペンションのおかげで教員は早くリタイアできます。
私が見た動画では、この教員のもらえるペンションをアメリカは、みたいな話になっていたので、それはないでしょうと思った次第です。
ちなみに私が昔々結婚していた元配偶者は地方公務員でした。なので、国のSocial Securityではなくて地方公務員のペンション制度でした。離婚したとき、もちろん私のリタイアメントなども取ろうとしたのはこのせいです。当時は面倒だったので、幾らかは私の当時の会社で入っていた企業年金を上げました。
私はおかげさまで、一度も育休を取ることもなく、一度会社を首になってはいるけど、ずっと休むことなく会社員をさせていただくことができましたので、年金を頂くには十分のクレジットです。今の時点で、満額もらえる67歳では日本の最高年金金額くらい貰えてしまう計算。
それでもアメリカで、年金だけで生活できるのかといえば、おそらく不可能です。
ご参考までに毎年発表される、年金を除いで必要な貯金額と平均生活費がこちら
年間で必要生活費(年金を除く)
一番高いハワイ州で $88,483
カリフォルニア州で $64,509、NY州で $51,710。
中西部のイリノイ州で $34,946、オハイオ州で $34,585
この金額を年金を除き年間で必要とされています。持ち家が無いとさらに悲惨です。
ちなみに日本は年間で60代が必要とされる生活費が年間で200万円ほど。女性一人、持ち家の場合です。アメリカとはかなりの差があります。
最近の401KのアカウントはAIのおかげか、ログインして最初のホームスクリーンにリタイアまでにあといくら必要みたいな金額が真っ先に出てきます。私の場合、あと$800,000の貯金が必要だそうです。
401K以外にも投資しているので、まあ$800K全部は必要ではないのかもしれませんが、それでも今すでに50代の私が、これから頑張って投資、貯金するには到底達成無理な金額。
ちなみに年金だけだと、家賃を払って、車の維持代、食事という最低限で終わりそう。物価上昇に合わせてもらえる金額の調整があったとしても、それ以上に物価は上がっています。旅行する余裕はないでしょうし、外食もできない。家賃も、今のレベルでは到底無理なので、シニア向けの比較的安いアパートを探すしかないです。
そして一番の問題は医療費。
なにしろ破産理由の第一位は医療費負担な国。少しでも大病をしてしまうと、すぐに破産してしまいかねないのがこの国。
年金だけで暮らせる人なんているのかなというくらい、アメリカの物価から見て、年金は暮らしていくには全く十分ではありません。
国が違えば制度も違うのは当たり前。なので、他の国事情は一部切り取っただけでは全く見えません。
アメリカいいなあという風潮もわからないでもないですが、実際に暮らすにはアメリカは中々大変です。若くて、気力も夢もあるころには全く見えていませんでした。今この年になってつくづくアメリカという国の貧困層の根深さ、治安の悪さ、生きていく上の最低限の安全。様々な大変なところが目に見えてしまっています。
老後については、もう趣味みたいなもので毎日のように考えていますが、はっきり見えているのはアメリカではないなあです。
そのためには、とにかく元気に働かさせて頂いている今のうちに頑張って貯金、投資に励むのに。
こっそり自分の投資口座を眺めて、試算に励む毎日です。
さて、W君、無事グルーミングも終えました。
ここのところ、家に工事の人が出たり入ったり、そして私が病気だったこともあるのか、調子が悪かったようです。いつもやって頂いているグルーマーさんですが、申し訳ないです。
年齢もあるのかなあ。
もう少し暖かくなったらまた元気になってくれるますように。
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